消耗品のように見える「アスリートビブス」にも、様々な事情が取り巻いています。
皆さんは、陸上競技に使用されるアスリートビブスに、サイズの規定があるのをご存知ですか?


陸上競技の競技者は競技中、胸と背にはっきり見えるように2枚のアスリートビブスをつけなければならない。跳躍競技の競技者は、胸または背にのみつけるだけでもよい。
アスリートビブスの一部または全部に、数字の代わりに競技者の名前またはその他の適切な識別番号を記載することが認められる。
いかなる競技会であろうと、競技者が自分のアスリートビブスやその他の標識を着用せずに参加することは一切認められない。
アスリートビブスは配布された形で着用しなければならず、切ったり畳んだり、あるいはいかなる方法でも見えなくしてはならない。
写真判定装置を使用する競技会においては、主催者は競技者のショーツまたは下半身の横に粘着性の腰ナンバー標識をつけさせることができる。
アスリートビブスの最大の大きさは高さ16cm×幅24cmとする。
競技者識別表示(番号/競技者名)はビブス中央部に高さ6cm以内とする。
上部の広告は、高さ6cm以内とする。
下部の広告や大会名等は、高さ4cm以内とする。
広告を表示しない場合は、空いている余白を競技者識別表示に使用してもよい。
ビブスは、競技役員が競技者の識別情報(名前または番号)を最大限かつ容易に視認できるように印刷されなければならない。
ビブスとビブス上の競技者の識別情報は、大会中、競技場エリアで競技を行っている間は、常に見えるようにしなければならない。
種目ごとに異なる大会スポンサーをビブスに表示することができる。
駅伝競走においては、アスリートビブスに番号数字の代わりにチーム名(都道府県名、学校名等)、区間を表す文字もしくは競技者の大会登録番号をバランスよく表示することができる。ただし、会社名(チーム名)は表示できないものとする。
腰ナンバー標識は12cm×18cmを標準とする。
※陸上競技ルールブックより一部引用
トラックレース以外にも、各地のロードレース大会などに参加された経験のある方は、アスリートビブス(ゼッケン)を付けたことが必ずあるはずです。
自身の好記録が出たり、余程の大きなエリート大会でもない限り、アスリートビブスというものは保存されず使用後に捨てられてしまい、辛苦を共にしたパートナーであるのにもかかわらず、あまり注意も払われないまま不幸な運命を辿ることも多いでしょう。
また、個性の時代が叫ばれる昨今、公認の大会でない場合には、必ずしも上記の規定にとらわれない、サイズ・デザインの凝ったゼッケンも多く見受けられます。
が、実はこんなゼッケンにも、生地や数字の大きさから、スポンサーの表示に至るまで、サイズの規定があるという事実には、面白さを感じるのではないでしょうか。

アスリートビブスの作り手である弊社シナノ体器では、規定に沿った正しいアスリートビブスを日々コツコツと製作しています。
ただ数字を入れるだけでしょう、などと思われがちですが、実際のところ、当日になると、大会参加中の目印、また記録集計上のナンバー割当として、アスリートビブスは重要な 意味を持って各選手に渡されているのです。
また、作り手の目から考えると、アスリートビブスの面白さは、何千人、何万人と参加する大会であっても、一人分のカードはたった2枚しかないということも挙げられます。
何千枚、何万枚と印刷されたゼッケンの中に、同じものはたった2枚(胸と背中用)しかないのです。
サイズ規定以上に重要なポイントです。
シナノ体器では、競技参加者一人一人の思い出のゼッケンを、丁寧に、そして慎重に、作り上げています。
中高生から市民ランナー、さらにオリンピック参加者から海外招待選手にいたるまで、誰のゼッケンもすべて平等に、心を込めて刷り上げていきます。
たった1枚でも抜けていることは許されません。
記録を狙い、スピードを競う選手の皆さんの、また健康であることの喜びや大会での充足を感じる市民ランナーの皆さんの、そんなすべてのアスリートの頑張ろうという気持ちのお手伝いができることが、シナノ体器の喜びでもあるのです。
「アスリートビブス」、機会があったらじっくり眺めてみてください!!
意外と愛着が湧くかもしれませんよ。

シナノ体器では、布地への印刷に最も適したスクリーン印刷と、不織布をはじめとする新素材へのコンピュータ印刷の併用により、多種多様なニーズに即したアスリートビブスを製作しています。
世の中には、一年間に例えば一体どのくらいの数量のアスリートビブスが必要とされているのでしょう?
シナノ体器のカバーする数量などは、ほんの氷山の一角なのかもしれませんが、しかし一口にアスリートビブス印刷と言っても、なかなか簡単にはいかない、奥の深い部分も実際にはあるのです。
社内の印刷工程で見れば、「素材」の選択に始まり、「プリントの色」、「数字の間隔」、全体のバランス」、「数量の調整」、等々、大会が違えば大会の数だけレイアウトも違うというくらいに多種多様なレイアウトが存在します。
そのアスリートビブスを見栄えよく作成する「目」は、長い時間をかけて、我々が築きあげてきた財産です。
シナノ体器では、お客様からの数あるご注文はデータ化して管理し、起こした「版」は丁重に保存して次年度以降に備えています。スムーズなアスリートビブス配布につながる一番の秘密は、シナノ体器の中に守られて いるといっても過言ではないでしよう。また、社外に目を向けて見れば、時代の流れに迅速に対応し、また時代を牽引する役割も大変重要です。
長いお付き合いの中から、お客様には大きな安心と信頼を抱いていただき、「シナノ体器さんのゼッケンなら・・・」、「是非今年も、お願いします・・・」などと暖かい言葉をかけていただくほどにもなりました。
とてもありがたく、とても心強いことです。
最近ではすっかり定着したチップによる着順判定システムなども考えた時に、「胸部(トルソー)がゴールした瞬間が選手のゴール。」という陸上競技規定により、場合によっては計測業者様との協力の必要性も出てきています。
さらにシナノ体器では、アスリートビブスに印刷する協賛企業様の存在から、広告代理店様ともお付き合いの輪が広がり、各地の陸協様や、大手スポーツメーカー様からもありがたいお声をかけていただく毎日を過ごせるようにもなりました。
つまりアスリートビブスは、多くの人々の思惑が込められて、日々進化しているのです。
そうして、美しく、正確なアスリートビブスを作るということは、シナノ体器の「社会的使命」であるかのような感じさえ受けているのです。
「もちは餅屋」へ。


シナノ体器は純粋な『ゼッケン製作メーカー』として、日々努力を重ねておりますが、シナノ体器から考えるアスリートビブスとは、
と、いうことができるでしょう。ちょっと大げさでしたかね。。